この記事では、ボロブドゥール寺院とともに世界遺産に登録されているジョグジャカルタの有名観光地「プランバナン寺院」の観光情報を紹介します。
行き方や入園料、見どころなどを解説しますので、観光を予定されている方はぜひ参考にしてみて下さい。
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プランバナン寺院について
プランバナン寺院(Candi Prambanan)は、インドネシア最大のヒンドゥー教寺院です。
正式名称は周辺のいくつかの寺院と併せて「プランバナン寺院遺跡群」と呼ばれます。
プランバナン寺院と同じ敷地に「ルンブン寺院(Candi Lumbung)」「ブブラ寺院(Candi Buburah)」「セウ寺院(Candi Sewu)」という3つの寺院もあります。
現在まで、誰の指示でいつ建てられたものなのかはまだはっきりとわかっていませんが、9世紀中頃にサンジャヤ王統のラカイ・ピカタン王の指示によって建てられたという説が濃厚だそうです。
これは、プランバナン寺院周辺で発見され、現在はジャカルタの国立博物館にあるシワグルハ碑文から推測された説です。
ラカイ・ピカタン王は、大乗仏教を信仰するシャイレンドラ王朝(ボロブドゥール寺院を作った王朝)の王「サマラトゥンガ」の娘と婚姻関係にあったそうです。
プランバナン寺院遺跡群もヒンドゥー教寺院と仏教寺院から構成されており、ヒンドゥー教と仏教の調和を象徴する遺跡でもあります。
後に、寺院は衰退し大地震によって崩壊してしまいますが、19世紀に再発見され1991年には世界遺産に登録されました。
プランバナン寺院・セウ寺院は、ロロ・ジョングランの伝説にも深い関係があります。
場所
場所は、中部ジャワ、ジョグジャカルタ市内から30分、ジョグジャカルタ国際空港から1時間半のところです。
名称 | プランバナン寺院遺跡群 |
住所 | Jl. Raya Solo – Yogyakarta No.16, Kranggan, Bokoharjo, Kec. Prambanan, Kabupaten Sleman, Daerah Istimewa Yogyakarta 55571 |
営業時間 | 6:30~17:00 |
定休日 | なし |
電話 | 02 7449 6401 |
公式サイト | 見る |
行き方
ジョグジャカルタまで
インドネシア国内から
ジョグジャカルタまでは、国内からの旅行であれば飛行機・電車で訪れることができます。
飛行機の場合はジャカルタ・バリ島から1時間ちょっと、電車の場合はジャカルタから8時間・チカランから7時間ほどです。
インドネシア国外から
国外からの旅行の場合は、直行便は出ておらずジャカルタ・シンガポール・マレーシア経由で訪れることができます。
ジャカルタ ⇔ ジョグジャカルタ便を探す現地での移動手段
YIA(空港)→プランバナン寺院
ジョグジャカルタ国際空港からは、タクシーや電車を使ってプランバナン寺院まで行くことができます。
タクシーの場合はRp 400.000弱、電車の場合は空港電車でジャカルタ市内へ出た後ローカル線への乗り換えが必要ですがRp 60.000ほどでプランバナン寺院の最寄り駅まで行くことができます。
ジョグジャカルタ市内→プランバナン寺院
ジョグジャカルタ市内からも、タクシーや電車を使ってプランバナン寺院まで行くことができます。
タクシーの場合はRp 100.000 、電車の場合はRp 8.000ほどです。
レンタカーを借りるのもあり
友人などの話を聞いているとジョグジャカルタ観光では車をレンタルしている方も多いようです。
レンタル会社が見つからない場合は、旅行予約サイト「KKday」にもジョグジャカルタのカーレンタルプランがあります。実際に使われた方がいて、その方は問題なかったそうです。
入園料
プランバナン寺院への入園料は下記の通りです。
外国人(大人) | Rp 375.000 |
外国人(こども) | Rp 225.000 |
国内(大人) | Rp 50.000 |
国内(こども) | Rp 25.000 |
プランバナンの夕日の名所として有名なラトゥボコ(Ratu Boko)との共通券もあります。
外国人(大人) | Rp 675.000 |
外国人(こども) | Rp 405.000 |
国内(大人) | Rp 85.000 |
国内(こども) | Rp 40.000 |
さらに、ボロブドゥール寺院との共通券もあります。
外国人(大人) | Rp 675.000 |
外国人(こども) | Rp 405.000 |
国内(大人) | Rp 75.000 |
国内(こども) | Rp 30.000 |
購入できるのは最大2か所までの共通券になります。
ボロブドゥール寺院との共通券について質問した時は購入日の翌日までの訪問に有効とのことだったので、共通券を購入する場合は有効期限にご注意ください。
所要時間
今回、私たちは朝の9:00頃に入園して園内の全ての寺院とミュージアムを比較的ゆっくり周りました。
全て見終わったのが13:30くらいだったので半日見ておけば十分だと思います。
サクッと回るだけなら、2・3時間で周れると思います。
その後は、「Kali Opak Resto」というレストランで食事をして「プラオサン寺院(Candi Praosan)」に行きました。
プランバナン寺院の周辺はレストランとよべるような飲食店は少なかったですが、Kali Opak Restoには欧米の方もたくさんきていました。
お店の名前になっているオパック川は、プランバナン寺院を建設する工程で埋め立てられ流路を変える工事が行われたそうです。
プランバナン寺院の見どころ
240の祠堂群
プランバナン寺院は、3つのエリアで構成されています。
各エリアの上に1つ小さなエリアが段違いで積み上げられた形になっています。
現在はそのほとんどが崩壊してしまっていますが、当初はここに全部で240の祠堂があったそうです。
まず、一番下のエリアはもともとそのエリアを囲んでいたとされる石の塀の残骸が残った状態になっています。
建物やその他の装飾があったかどうかはまだわかっていないそうです。
次に、下から2番目のエリアですが、こちらは上に行くほど高くなる4つのエリアにさらに分けられます。
そして、頂上へと続く4方向の階段をさけて形・サイズが同じ全部で224の祠堂が建てられていたそうです。
一番下の段には68個、2番目の段には60個、3番目の段には52個、一番上の段には44個です。
現在はこのほとんどが崩壊しており、瓦礫が残された状態になっています。
また、1番下のエリアと同様にこのエリアも石の塀で囲まれていたそうですが現在はすでに崩壊しています。
最後に、一番上のエリアはプランバナン寺院の最も神聖とされる場所で、ヒンドゥー教の三大神「シヴァ」「ヴィシュヌ」「ブラフマー」が祀られている祠堂があります。
1つ下のエリアの一番上の段からはさらに1.5メートルの高さがあり石の塀で囲まれています。
四方にあるパドゥラクサ(Paduraksa)という門から出入りすることができます。
パドゥラクサとは、ジャワやバリで見られるゴープラム(Gapura)型の古典建築のことをいい、ゴープラムはインドのヒンドゥー教寺院でよくみられる石やレンガで作られ外面に彫刻がほどこされた門の建築方法のことです。
各門の内側には「Candi Kelir」と呼ばれる小さな祠堂が置かれています。
この4つの門の中で完全な状態で残っているのは南側の門のみです。
このエリアの中央には南北に各列3つの祠堂が2列あります。
この西側にある祠堂は、北から順に「ヴィシュヌ堂(Candi Wisnu)」「シヴァ堂(Candi Siwa)」「ブラフマー堂(Candi Brahma)」と呼ばれ東側に面して建てられています。
次に東側にある祠堂は、北から順に「ガルーダ堂(Candi Garuda)」「ナンディ堂(Candi Nandi)」「ハンザ堂(Candi Angsa)」と呼ばれ西側に面して建てられています。
「ガルーダ堂」「ナンディ堂」「ハンザ堂」はあわせて「Candi Wahana」と呼ばれます。
Wahanaはインドネシア語でKendaraan、日本語にすると乗り物という意味があり、各祠堂の名前は対面している祠堂の神様の乗り物である動物の名前から来ています。
これら6つの祠堂はシヴァ堂を除き全て同じ高さの25メートルで、シヴァ堂のみ47メートルの高さがあります。
東側と西側の祠堂の間にある通路の南と北の端には「Candi Apit」と呼ばれる祠堂があります。
また、このエリアの四隅には「Candi Potok」と呼ばれる祠堂が1つずつ置かれています。
レリーフ
シヴァ・ブラフマー・ヴィシュヌ堂にはボロブドゥール寺院と同じく祠堂を一周する回廊の内側の壁にレリーフが彫られています。
この3つの寺院は、ヒンドゥー教で信じられている「トリムルティ(Trimurti)」の象徴でもあります。
シヴァ堂にはラーマーヤナの物語が、ブラフマー堂にはシヴァ堂のラーマーヤナの物語の続きが描かれています。
ヴィシュヌ堂にはヴィシュヌの化身であると言われているクリシュナの物語が描かれています。
レリーフは時計周りに右から左へ読んでいきます。
これは、巡礼者が神聖な建物を時計周りに巡るプラダクシナの儀式に従っています。
セウ寺院
公園内、プランバナン寺院からは一番遠い位置にある仏教寺院です。
セウはジャワ語で「千」を意味し、直訳すると「千の寺院」となります。
実際には、249の寺院しかありませんが、この千という数字はロロ・ジョングランの伝説と深く関係があります。
今回は、下記の記事を参考に簡単にロロ・ジョングランの伝説の内容をまとめてみました。
Kisah Roro Jonggrang – SMA Negeri 1 Singaraja
Kisah Roro Jonggrang, Legenda di Balik Candi Prambanan Halaman all – Kompas.com
かつて、プランバナンには2つの王国が隣接して存在していました。
ロロ・ジョングランは、Baka王国の国王「プラブ・ボコ」の娘です。
ある時、プラブ・ボコはもう1つのPengging王国の国王の息子「バンドゥン・ボンドウォソ」に戦場で殺されてしまいます。
KOMPAS.comの記事によると、最初に2つの王国の間での戦争を構想したのはプラブ・ボコ側だったようです。
そして、Baka王国の宮殿を支配し美しい王女ロロ・ジョングランを見たバンドゥン・ボンドウォソは彼女に結婚を迫りました。
ロロ・ジョングランは丁重にお断りしましたが、バンドゥン・ボンドウォソが諦めなかったので最終的に一晩で千の寺院と深い井戸を2つ作ることができたらという条件を与えました。
バンドゥン・ボンドウォソは超能力を持っており、精霊たちの力を借りて次々に寺院を作り上げました。
それを知ったロロ・ジョングランは村の娘たちを起こして、松明に火を灯し、藁を燃やし、臼ときぬで米をつくように指示しました。
朝が来たと勘違いした鳥たちが鳴き始めると精霊たちは最後の1つを残して去ってしまいました。
事情を知ったバンドゥン・ボンドウォソは怒って、ロロ・ジョングランに石像になる呪いをかけました。
プランバナン寺院・シヴァ堂にあるドゥルガー像は、石像に変えられてしまったロロ・ジョングランだと言われています。
現在は、249あったと言われている祠堂のほとんどが崩壊しています。
プランバナン寺院を見て帰ってしまう人が多いのか人はかなり少ないです。
ルンブン寺院とブブラ寺院
ルンブン寺院(Candi Lumbung)とブブラ寺院(Candi Buburah)は、プランバナン寺院とセウ寺院の間にある仏教寺院です。
この2つは、プランバナン寺院・セウ寺院に比べるとかなり小さいです。
こちらがルンブン寺院。
そして、こちらがブブラ寺院。
セウ寺院同様、人はあまりいませんでした。
欧米の観光客のような方にはお会いしましたが、インドネシア人の方はほとんど見に来ないみたいです。
とは言っても、セウ寺院をはじめブブラ寺院・ルンブン寺院はプランバナン寺院遺跡群を構成する寺院の1つなのでぜひ見に行ってみてください。
園内の施設
博物館
公園内には、考古学博物館もありプランバナン寺院周辺で発掘された出土品などが展示されています。
プランバナン寺院に関する動画を視聴できるミニシアターもありました。
博物館自体の入場は無料ですが、シアターは5.000ルピアでチケットを買いました。
ラーマーヤナ劇場
公園内にある、野外劇場「Ramayana Ballet Prambanan」ではラーマーヤナの舞踊ショーが行われています。
スタートは日が暮れた後、19:30からで公演時間は2時間ほどです。
ライトアップされたプランバナン寺院を背に生演奏の歌・音楽とともに大迫力の舞台が繰り広げられます。
座席は、全部で4つのクラスに分かれていて料金はRp.150.000~です。
今回は、ステージ正面にあるVIPクラス(一番上のクラス)を選びました。
料金はRp450.000で、軽食とドリンクがついてきました。
執筆時点では火・木・日のみの公演です。
公演日の詳細は1年分すでにインスタグラムにて公開されているので事前に確認をお忘れなく。
宿泊したホテル
プランバナン寺院周辺はホテルが少ないです。
今回は、評判のよかった「ルマ デサ ホームステイ 」に宿泊しました。お部屋は一軒家の数部屋を宿泊用に貸し出しているような感じで、宿自体の見た目は完全に一軒家です。
トイレ・シャワー室は室内にあり、私たちが宿泊したお部屋は広さも十分にありました。
また、他の予約がないということでチェックアウト後もラーマーヤナ公演までお部屋を使わせてもらうことができ、とても助かりました。
パン・卵料理・フルーツなどしっかりした朝食も用意していただきました。
ホームステイスタイルだと不安という方は、ジョグジャカルタ市内に宿泊して当日プランバナン方面に移動されることをおすすめします。
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このブログでは、他にもジョグジャカルタ観光に関する記事をいくつか用意しています。
まだ、書ききれていない部分は随時更新していきますのでぜひジョグジャカルタ観光の参考にしてみてください。
まとめ
ボロブドゥール寺院と同じ石造りの寺院ですが、個人的にはプランバナン寺院の方が華やかさを感じました。
ジョグジャカルタへ行かれた際は、ぜひ両方の寺院に立ち寄ってそれぞれの寺院の雰囲気を感じてみてください。